インドの大麻村 シャーマン宅ホームステイ日記①

インド
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インドの大麻村 ホームステイ日記①

Manali マナリという北インドの街に行きました。ヒマチャル・プラデシュにあるバックパッカーには昔から有名な街であり、標高2000mに位置するこの街は避暑地としてインド人の中でも人気のある観光地です。

シャーマンとの出会い

僕がマナリに訪れたのは11月末という時期で雪が降る直前、もしかしたら雪が降る前に1週間ほどトレッキングに行けないかなと思いこの街に来てみた。

結果から言うといつ雪が降るかわからないのでテント泊込みのトレッキングは行っておらず、日帰りハイキングのみが可能という状況でした。

そんなこともあるかもしれないと想定していたものの、来年以降でなければトレッキングは出来ないということで急にやることがなくなってしまったのです。

一気に予定が無くなり、二泊ほどして次の街に移ろうかなと考えていた所に話しかけられた。

日本語で「コンニチハ、ゲンキ?」と声をかけられ、僕は「元気だよ」と答えた。

「My wife is Japanese(僕の妻は日本人だよ)」と彼は言います。

インドではこの手の嘘が横行しているので僕は大して面白そうでもないけど足を止めて聞いてみるかと思い、「君は嘘つきじゃないよね?」と返しました。

そこからしばらく話をして彼は「吸うか?」と言いました。

またしばらく話をすると彼がシャーマンであること。マナリから少し離れたところにある村に住んでいること。ホームステイ式の宿を営んでいること。彼には世界中から来た友人がいること、彼は若い頃はトレッキングの会社で働いていたことなどがわかってきました。

辺鄙な場所まで来たなと思ったのは彼らが日常的に大麻を吸うことでした。正確にはチャラスという大麻樹脂を集めて固めたものをタバコと混ぜ合わせてチラムというパイプで吸うのです。

彼は街でお店を営んでいますが、普通に店の軒先の少し路面から見えにくい場所に座って数人でチラムを回し合うのが日常なのです。

翌日は彼の村に連れて行って貰いました。

オールドマナリの町からバイクで20分ほど山を登り到着した小さな村。彼の家は裕福とはとても言えない質素な家だがヒマラヤの絶景の中にある何とも味のある家でした。

シャーマンの家に向かう際に一人の白人バイカーも一緒に付いてきていました。彼は誰にでも話しかけるタイプではなく、周りと一定の距離を取るタイプの男でした。

村に到着するとシャーマンが黒い塊を持ってきた。「これはオピウム(アヘン)」。

南アフリカから来たという彼はそれを現金と交換してどこかへ去って行きました。シャーマンは「一度にやるなよ。ゆっくり使えよ。」とアドバイスも一緒に伝えていました。

高野秀行のアヘン王国潜入記のような世界に来てしまったなとこのときは思った。

シャーマンの村は良い場所でした。ヒマラヤの山間にあるこの標高2,500mに位置する小さな村には観光客も少なくゆっくりするには最適な場所であり、30分も山を下るとそこそこの街があるので生活もしやすかった。

この日は一度マナリへ帰り、翌日から彼の家に泊まってみることにした。


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一晩泊まってみて

一晩泊まってみるともう少し多くのことがわかってきた。

この村はマナリから歩いても20分ほどで行ける場所にあり、有名な観光地の隣村に済む自称シャーマンの50歳くらいのおじさんは観光客相手にホームステイ宿をしており、彼の家に泊まることが出来るというビジネスモデルである。

お願いすればデイハイキングにも連れて行ってくれるという。

部屋は質素なものであるが、美しい山間の何とも落ち着く場所であった。
11月末の気温は寒く、朝は0度まで気温が下がるが僕の部屋にストーブはなくすこぶる寒かった。

寒かったものの僕は北海道生まれなので寒さが懐かしくも心地よく、それほど嫌ではなかった。
というかむしろ気持ちいいくらいであった。

ホームステイ宿というのはモンゴルのゲルで宿泊して以来久々だった。

ホームステイ宿のタイプによってホスト家族との距離感が違う。最も距離が近いのは一緒に住んで三食共にするタイプであろう。

ここシャーマンの家の場合は自宅の一室を僕に貸してくれ(部屋からは直接外に出られる)、夕食はシャーマンの家族と一緒に食べるというものだった。朝昼は自由であり、街で適当にご飯を食べていた。

シャーマンの家は普通の家であり、別に看板を出しているわけでもネットにホームステイ宿として掲載しているわけでもない。ただ単に気に入った旅人を泊めるのが好きらしい。

シャーマンは嫁さんと息子の3人で暮らしている。子どもは4人いるらしいが他の子は皆巣立ったと言っていた。

シャーマンと言ってもただの一家の親父である。信仰深いおじさんの家に泊まるのは不思議な体験だった。

まずは大麻と彼らの付き合い方が僕にとっては不思議だった。

彼は家でも大麻を吸う。晩御飯の前にパイプを燻らせる。

また食後にも一服する。日常的に大麻を吸う生活をする人だった。
ちなみに嫁さんと子どもは一切吸わない。

ちなみにアルコールは悪魔の飲み物と呼んでおり、彼らは一切摂取しないし僕もシャーマンの家に泊まる際に「お酒はうちでは禁止だからな」と言われた。そういう信仰なのである。

自分の家は寺みたいなものなので誰でも泊めるわけにはいかない。
お酒も駄目だし、週1度のマトン食以外週6日は菜食という食生活だった。

印象的だったことを一つ。

ある時、彼はこれがTHCオイルと言ってラップに包まれた黒い粘度の高い液体を見せてくれた。
THCオイルというのは要約すれば大麻オイルである。

「これを飲めばどんな病気も治る。精神的なこと、肉体的なこと、全て治るんだ。」と言った。

彼は西洋医学を勿論知っている。インドには多くの病院があるし、彼はスマートフォンも持っている。

外国人が訪れるような観光地に歩いて30分もあれば行ける場所に住んでいるので何と言うか人馴れしている部分がある。

そんな人達であるが何と言うかスピリチュアルなことを大切にしており、大麻信仰のあるエリアだった。

これはそんな村に3週間ほど滞在した時の日記である。



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