ムンバイのスラム ドービー・ガートに行ってみた
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こんにちは。
実は僕にはインドで行ってみたい場所がありました。
それはムンバイ競馬場。入口で「今日レースある?何時から?」と聞くと「2時からあるよ」と言われ入場しました。
現在時刻は1時45分。入場料は75ルピー(約150円)。
2時を過ぎても一向にレースが始まる気配がありません。
周りの人に聞いてみたらレースはここムンバイではなく、ハイデラバードで行われているとのこと。
先に言えよそれを!
そんなこんなで競馬に狂うインド人を見たかったのですが夢叶わず。
ちなみにインドの競馬場は携帯電話の持ち込み禁止で写真も一切撮れませんでした。チケットを買う代わりにスマホを預けなければなりません。
そこで散歩しているとたどり着いたのはドービー・ガート(Dhobi Ghat)。
Dhobi Ghat ドービー・ガートとは
ドービー・ガートとは大きな洗濯場です。
正式には「洗濯場」を意味する「ドービーガート」という名前は、ヒンディー語で「ドービー(Dhobi)」は「洗濯屋」を指し、「ガート(Ghat)」は「階段」や「岸」を意味します。
世界最大の野外洗濯場がここムンバイにあります。
ドービー・ガートは2011年に「一か所で手洗いする人の数が最も多い」としてギネス世界記録に登録されました。
1890年に作られたこの1平方Kmの洗濯場に7000人近くが住んでいるらしいです。
今日でもムンバイ中の病院、ホテル、クリーニング店、衣料品販売店などから衣類を集めており、1日10万着以上も洗うのだとか。
元々はイギリス植民地時代にムンバイ港から入ってくる衣類を洗濯することから始まったらしいです。
多くの衣類は手作業で洗うため、洗濯は非常に労働集約で1日18時間以上働くとの話もあります。
洗濯した衣類はしっかりと絞られ、日干し、もしくはアイロン掛けされた後、再び顧客に届けられます。
使用済み衣類をキレイにクリーニングしてフリーマケットなどで販売する収入源もあるそうです。
ドービー・ガートのアクセス方法
ドービー・ガートはムンバイの南側にあるMahalaxmi railway stationのすぐ隣にあります。
頑張ってMahalaxmi railway stationを目指しましょう。
ドービー・ガートに入ってみる
ムンバイのスラムと派手なタイトルを付けましたが実際の所は観光地されており、危険な場所ではありません。
勿論今現在も多くの衣類を毎日洗っていることは紛れもない事実ですが、ドービー・ガートの人々は観光客慣れしておりフレンドリーだったように思います。
ドービー・ガート周辺を歩いていると怪しげな男から声をかけられます。「中入ったか?まだなら紹介してやるよ。お金は気持ちの分だけくれれば良いから。」
観光地と言ってもドービー・ガートはやはり独特の雰囲気があります。この男について行って中で囲まれでもしたら嫌だなーと思いつつ大丈夫そうな雰囲気だったので、付いて行ってみました。
不安な方はネットからツアーを申し込めますよ。
生活状況やドービーガートについて説明してくれるのでガイドさんがいた方が楽しめます。
こんな感じでワンブロック分のお金を政府に払って、この区画の権利を買って初めて洗濯出来るらしいです。
話は若干変わりますが、インドで洗濯している人を見ていると床に洗濯物を叩きつけているのをよく見かけます。
日本は手洗いというと洗濯板でゴシゴシ擦るように洗うのが一般的かと思いますが、 インドではムチのように衣類を床に叩きつけるのを見かけます。「ビシッ、ビシッ」という音が聞こえてきます。
洗濯バサミなどは使用せずにロープに衣類を差し込んで干す方法を用いています。
ここはドービーガートの一角にある映画撮影用のエリア。
子ども誘拐なのどシーンを撮影されることが多いらしいです。
こんな感じで家を見ることも出来ます。
3-4畳ほどのスペースで家族4人ほどで暮らしているらしいです。日中は家の中に洗濯物が溢れています。
逞しい限りです。
ドービー・ガートは世襲制であり、代々洗濯場(2m×2mくらいの区画)を買うために政府にお金を払うそうです。金額は完全に忘れてしまいましたが、確か60万円くらいと言っていたような。
上の写真のようにお金に余裕がある人は電動の洗濯機や脱水機を持っています。
印象的だったのは、1.6m×1mぐらいの机を1ヶ月3000ルピー(6000円弱)で貸し出していると言っていたことです。そこの机の上で寝たり生活する為の場所です。
売りはコンセントが付いており、スマホ充電などが出来ること。
そんな机が10個ほど並んでいました。
ムンバイのスラムと呼ばれていた洗濯場 の机一つでも月6000円の家賃が掛かるのかと思って物価高に驚きました。
立地もよく、洗濯業に励めば十分元が取れるのでしょうか。
さいごに
ムンバイの都会の中で突如現れる洗濯場は異質であり、すぐ隣には住居用の高層ビルが立ち並んでいます。
ロケーション的にはムンバイの良い場所にあるので、インド政府もドービーガートを潰して都市開発をしようとしている動きもあるそうですが、ドービーガート住民が拒否していると言っていました。
ドービーガートで紹介された人の中には大学を出たけど家族を助けるためにこの場所に戻ってきて仕事をしているという青年も居ました。
ドービーガート内の住人は笑顔で観光客に挨拶をしており、悲惨さや苦しそうな一面を見た記憶はありません。その代わりに疲れてその辺で寝ている人は結構居ました。
正直な感想として、ムンバイのその辺の橋の下とか道路脇に住んでいる人のほうがよっぽど貧困そうに見えます。
洗濯上で働いている彼らは仕事は大変だけれども十分に生活出来るのだと思います。
洗濯場で働く彼らはホームレスとは違います。
インドでは橋の下などで赤ん坊とその家族達が暮らしたりしています。
そちらを見る方がよっぽど何とも言えない気持ちになります。
世界一大きい野外洗濯場ドービー・ガートは住民全体が家族のようなものなので多くの人が笑顔で過ごしているように見えました。