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前回の記事の続きです。
インドのヴィパッサナー瞑想センターで10日間修行してみた②
1日目が過ぎ去りました。
人間なんでも初めは大変なものです。ゴカルナ先生も1日目が一番キツく、徐々に楽になると仰っていました。
「後9日間もこれを続けるのか・・・」という思いが頭を幾度となくよぎりますが、考えた所で何か変わるわけでもありません。
気分は刑◯所の中ですが、これから起こる心と身体の変化に期待して2日目を向かえます。
日々の感想
2-3日目
引き続き身体が痛いです。
腰や背中周りが痛いのですが、日々徐々に慣れていっているのを感じます。
ひたすら瞑想を続けます。
1日目は呼吸を観察する方法で瞑想していましたが、2日目、3日目になると上唇の上から鼻の穴の下部分を三角で結んだ場所の意識を観察するように指示され、ひたすら鼻の穴の下の感覚を観察していきます。
4日目
この日の午後3時からヴィパッサナー瞑想を教えて貰いました。
そうなのです、今までのはヴィパッサナー瞑想ではなくその準備段階だったのです。
実は初日からティーチャーの話を聞いているときに「後3日後にはヴィパッサナー教えるよ」と言われます。
1日1度くらいの頻度で言われ、妙に焦らしてきます。
朝起きた時から今日がいよいよヴィパッサナー瞑想を伝授される日かー、と楽しみにしていました。
と、その前にここで新たな3つの成約が加わりました。
・目を開かない
・手を動かさない
・足も動かさない
というものでした。
瞑想していると身体が痛くなるので、ちょくちょく手足を組み替えますがそれを禁止するルールです。
身体が痛いので非常にツライルールです。
次に教えてもらったヴィパッサナー瞑想方法です。
身体の感覚を順番に
頭頂→頭皮→顔→右肩→右上腕→右肘・・・というふうに頭から足まで順番に身体の感覚を観察していきます。
え?それだけ?
と正直思いました。
この瞬間はなぜこれが自分自身の心の奥深くまで繋がる問題を解決出来て心の浄化に繋がるのか理解出来ませんでした。
その後講義ビデオをみて納得しましたので説明は後ほど。
5-9日目
書くのも飽きてきたのでここから一気に省略したいと思います。
その後も瞑想をもちろん続けます。
ヴィパッサナー瞑想方法に進歩があり、身体の感覚を左右対象に同時に頭から足まで感じ、次は足から頭と繰り返していきます。
5日目、6日目にはここでの生活にも慣れてきてそんなに苦しみは感じなくなっていました。
昼には昼寝も出来るし瞑想に慣れてしまえば過ごしやすくさえあります。
初日よりははるかにマシになりましたが、5-6日目の時点でも身体自体はまだ辛かった記憶があります。
8日、9日目になるとある程度瞑想に慣れて身体の痛みもそんなに気にならなくなりました。
朝は身体の感覚が薄いです。夕方になると感覚が敏感になっていきます。
10日目
10日間の合宿修行ですが、実は10日目は現代社会に戻る為の準備日となっています。
午前10時に喋ることを解禁され、この日の12時半にスマートフォンやタブレットなどの通信機器が返却されました。
講義も生活の中でどのようにヴィパッサナー瞑想と付き合っていくかというようなことを学びます。
会話を解禁された後のインド人がすごかった。皆が沈黙を守る環境はある種、日本的でした。
僕自身は喋りたいと思う欲求はあまりなく、喋れなくてツライと思ったことはありませんでしたし、快適さまで感じて居たのかも知れません。
しかし、会話が解禁された途端皆が喋り始めます。自分はインドに居たんだと、この瞬間に気が付きました。
インド人というのは実にコミュニケーション能力があります。初めて会ったのにも関わらず昔からの友達のように喋り合っています。
ちなみにですが、この場では半数以上の人が英語を流暢に喋っていました。
日本にも5回ほど旅行で行ったことがあると言われたりとお金持ちの人が多いのです。こういったメンタル修行に気をかける人々はハイソなのでしょうか。
彼らは階段で道を譲り合ったりとインドとは思えません。
余談ではありますが、瞑想合宿後にセンターから駅まである生徒に車で送って貰いました。
20代そこそこの彼の両親が車で迎えに来てくれており、僕を駅まで送ってくれたのです。
「じゃあ行こうか、荷物車に乗せて」と言われて現れた車はベンツのGCL300というSUV車。
10日間の瞑想合宿後という状況で日本でも乗ったことがない高級車から見るインドの街並みはとても優雅な光景でした。
その後は電車では死ぬほど人が乗ってきて一気に無職バックパッカーの現実に戻ったのでした。
何事も現れては過ぎ去っていく。僕の優雅な時間もまた現れては過ぎ去っていくのです。
僕が感じたヴィパッサナー瞑想が効果的な理由
僕が10日間の体験を通して感じたヴィパッサナー瞑想の効果的な理由について説明したいと思います。理解した全てを説明することは出来ませんが、一部僕が経験を通して学んだことを紹介したいと思います。
講義ビデオの中でゴカルナ先生が何度も言っていた言葉が心に染みて記憶に残っています。
「本を読んでも人は変わらない。人は行動し、経験を通して物事の本質に触れた時に初めて理解して変わる。」というものです。
勿論知識を否定している訳ではありません。
どんなに詳細に記載されている車の運転教科書を読んでも人は車を運転出来ません。実際に運転する経験を通してとあるポイントに達した時に初めて運転というものを理解出来ます。
運転に限らず皆さんも思い当たる経験があるのではないでしょうか。
これが瞑想にも当てはまります。
瞑想をしていると自分の心があらゆる方向に勝手に動いているのを観察することが出来ます。
心は基本的に2つの動き方があります。
1つ目は過去です。
「あー、今日あった出来事腹立つなー」と心は勝手に過去を思い出します。
その次、2つ目は未来です。
「次あいつにあった時はこう言い返してやろう」などと過去から未来へと一気に移り変わります。
このように心は過去と未来を行ったり来たりしながら動き回っていきます。
僕は10日間の瞑想合宿経験を通して「私は狂人である」と理解しました。
次から次へと勝手に切り替わっていく思考達を観察することで本当にそう思ったのです。
狂人と書くと大げさな言葉ですが、「自分はまともじゃないんだ。心の手術とゴカルナ先生が言っていたのはこういう訳か」と理解しました。知識として知っているのと本当に理解した場合ではやはり違います。いかに心というものが自分勝手に動き回っているのかを理解出来ます。
ヴィパッサナー瞑想 図解実践: 自分を変える気づきの瞑想法【決定版】
次にヴィパッサナー瞑想の方法は身体の部位の感覚を順番に観察していくというものです。
なぜこれが心の浄化に役立つのかというと、苦しみは感覚から始まるからというのがブッダがたどり着いた答えだからだそうです。
心の動きは無意識的なものです。例えば人が怒った時に後から”こういった理由があったから怒った”と言った所で怒ったのは無意識的に嫌な感じがして我慢出来なかったから怒ったわけです。
嫌な気持ちも一緒です。自己啓発本や哲学書などを読んで”このように生きると良いのか”と学んでも嫌な気持ちも無意識なものなので、嫌なことがあると瞬間的に嫌な気持ちになります。
その後意識的に知識を用いて対処しても根本的解決にはなりません。
ここでヴィパッサナー瞑想の登場です。
ひたすら身体の観察を部位ごとに観察していきます。顔を観察している時に腰が痛くとも無視して顔を観察します。
どんな感覚でも関係なく、ただただ観察します。
感覚というと痛み、かゆみ、振動、暑さ、寒さなどなど多数の感覚がありますが全ての感覚が一つの特性を持っていることを学びます。
それは”全ての感覚は現れては消えてゆく”というものです。Anitya、無常というやつです。
ヴィパッサナー瞑想を続けていくと全ての感覚は現れては消えていくことをこれも本質的に経験を通して理解出来ます。ここで文字を読んだだけでは「へー、そうなんだー」と思うでしょうか朝4:30からひたすら瞑想生活を続けていくと本質的に理解出来るのです。
この観察の経験が嫌な気持ちがあったときに繋がります。
まずは瞑想の観察経験を通して、いきなり心があらぬ方向へ一気に動くことを抑えることが出来ます。次に心の動きを観察することに慣れます。
「あー、また勝手に妄想してるわ」と気づき、無視することが出来ます。
感覚というのは今この瞬間のものです。我々が生きている今この瞬間こそが感覚なのです。
心が過去に行ってしまった時に”いかん、いかん現実に戻らなければ”と感覚を通して今この現実地点に戻れます。
もう一つゴカルナ先生が言っていた言葉で印象的なもののひとつが「嫌なことが1度あったとして、それを心の劇場で何度も何度も再上映しているのは自分自身。問題は常に自分の中にある。」
というものです。
さいごに
ここまで書いてみましたが、まだまだ書きたいことがあり正直ブログの場では到底書ききれません。
それぞれ理解の仕方や考え方が違うので皆さんがヴィパッサナー瞑想合宿に行った場合はまた僕とは違う理解になると思います。
僕が感じたのはこのようなことでした。
ここまで長くなってしまいましたが、一言でいうと「最初は苦痛だったけど、面白くて良い経験だった!皆も行ってみてね!」という心境です。
ヴィパッサナー瞑想に関する様々な書籍も販売されているので気になった方は読んでみてください。
京都のヴィパッサナー瞑想センターのリンクはこちら
千葉のヴィパッサナー瞑想センターのリンクはこちら