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テレビ番組のクレイジージャーニーでも取り上げられていたインドのお祭り、マハ・クンブメーラ2025に参加してきました。
もう3ヶ月近く前の話ですが、せっかくなので記事にしておこうと思います。
マハ・クンブメーラとは?
マハ・クンブメーラ(Maha Kumbh Mela) は、
インド最大、そして世界最大級の宗教行事です。
「クンブメーラ」という大規模なヒンドゥー教の祭りの中でも、12年に一度だけ開かれる特別版を「マハクンブメーラ」と呼びます。
何をするイベント?
中心は聖なる沐浴(スナン)です。
巡礼者たちは川で体を清め、「カルマ(業)」を洗い流し、解脱への道を目指します。
特に「サグラ・スナン」という吉日には、数千万人が一斉に川へ飛び込みます。
サドゥーという修行僧達が一斉にクンブメーラに集結する特別な機会でもあります。
なぜこんなに重要?
ヒンドゥー教の神話によると、
かつて神々と悪魔が「アムリタ(不死の霊薬)」をめぐって争ったとき、アムリタが入った壺(クンバ)が4か所の地上に滴り落ちたと言われています。
その4つの場所でクンブメーラが開かれます。
その中でも、
マハ(偉大な)クンブメーラは、特別な天文配置のもと開催されるため、最も神聖とされています。
どうやって行ったか
僕はバラナシからマハ・クンブメーラの開催地であるプラヤグラージまで電車で向かいました。
バスだと途中で入っていけないので、電車のほうがオススメです。
一度バラナシからバスで行ったら遠い場所で降ろされて面倒でした。
クンブメーラの思い出
インドで開催される世界最大級の宗教祭典、クンブメーラ。
僕はこの不思議な祭りに、1ヶ月間も滞在することになった。
なぜそんなに長く滞在したのか?
それは、とある日本人たちがクンブメーラの会場にティピ(ネイティブアメリカン式のテント)を建てて暮らしていたからだ。

ティピ生活のはじまり
そのティピには、最大で15人くらいが雑魚寝していた。ここでは日本人もインド人の様に寝ていた。
外国人も数名いたけれど、ほとんどが日本人だった。
バラナシの「バニーカフェ」という日本食レストランを通して、たくさんの日本人バックパッカーたちがこのティピに集まってきた。
おそらく、延べ100人近くは訪れたんじゃないだろうか。
クンブメーラでテント生活するというのはインドの”ど真ん中”で生活するようなものだった。
インド味溢れる素晴らしい景色が広がっていた。


クンブメーラで生活する
ティピがあった場所は、インド人の出稼ぎ労働者たちのエリアだった。クンブメーラでは様々な雇用が生まれるので家族総出で出稼ぎ労働者達がテントを張って生活していた。
周囲には薪や食料を売る店があり、僕たちは薪を使って自炊しながら生活していた。
日々、クンブメーラにやってくる膨大な数の巡礼者たちを眺めながら、
変化していく人の波を感じて暮らす、そんな特別な日々だった。
人の数はもの凄かった。
たしかあれは1月29日だっただろうか、めちゃめちゃ人の多い日があった。その日に向けて人々が集結してきてるのがわかった。
沐浴日というのがあり、サドゥー達が一斉に沐浴する日がある。そこに合わせて多くの一般人も集まっているようだった。
その沐浴日に僕らはとあるサドゥー達に付いて一緒に沐浴に行こうとした。人がすごいので夜中から動き始めた結果、ほぼ眠らずに沐浴日の朝を迎えた。
これから沐浴に行くぞというタイミングでどうやらサドゥー達が揉めているようだった。情報収集に出発していくサドゥー部隊が数多く結成されているようだった。
結論から言うとその日のサドゥーの一斉沐浴は中止となった、数百人の人が圧死したと言うことで沐浴は中止になったのだ。
後日のニュース情報によると実際に亡くなったのは30人ほどらしかった。
当日クンブメーラに訪れた人は2億人にも上るらしかった。
数百人死んだというので中止になった時のクンブメーラはカオスだった。どこまでも続く人の海を眺め、世紀末みたいだねと友人と笑いあった。
ババジとの夜
夜になると、僕たちはサドゥー(修行僧)たちのエリアへと繰り出した。
サドゥーはババジとも呼ばれている。違いはよくわからないのだが、超簡単に言うと貫禄のあるサドゥーのことをババジと呼ぶような気がする。
インドでは大麻は違法だけれど、クンブメーラの会場では宗教的な理由から、ババジたちと一緒にチャラス(大麻樹脂)を吸うことが許される特別な空間になっている。
サドゥーたちはそれぞれ自分のテントを持っていて、
そこに座ると、チャイ(ミルクティー)や食事を振る舞ってくれることもある。
チャラスを一服分ババジにプレゼントすると、さらに歓迎してもらえる。
そんなインド独自の不思議な交流が、毎晩のように繰り広げられていた。

無償の文化「プラシャード」
クンブメーラには、プラシャードという無料奉仕の文化がある。
誰でも食事にありつくことができ、
泊まる場所も、ババジのキャンプにお世話になれば基本的にお金はかからない。
「お金がなくても生きていける」──
そんな不思議な世界が、ここには広がっていた。


まとめ 〜2032年のマハクンブメーラへ向けて〜
本当に色々な出来事がありすぎて、ここには書ききれない。
けれど、間違いなく言えるのは、
毎日が刺激に満ちた最高に面白い日々だった。
僕はヒンドゥー教徒でもないし、特別宗教に詳しいわけでもない。
それでもクンブメーラで1ヶ月間生活することで、多くのことを学ぶことが出来た。
クンブメーラという場所で皆と共に過ごした1ヶ月が最高に楽しかった。
楽しかったことの一つに「共に生きる」ということがある。1ヶ月のティピ生活を通して見ず知らずの人々と共に過ごし、会話していくことによって人々はより強く繋がっていく。そんな1ヶ月間だった。
2025年の今、この記事を書いている理由。
それは、次の2032年のマハ・クンブ・メーラに、
もっと多くの日本人に参加してほしいと思ったからだ。
旅好きなら、宗教に興味がなくても、人生の中で一度は体験する価値がある。そんな場所だった。
クンブメーラで出会った友たち、そしてあの不思議な空気感を、ぜひ味わってほしい。
