当サイトには広告が含まれています。 当サイトではAmazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。Amazonのアソシエイトとして、当メディアは適格販売により収入を得ています。
旅の思い出として印象的だった出来事を紹介するコーナーの第一弾です。
気が向いた時に書いていこうと思います。
スリランカの病院の話
2024年9月中旬頃の話です。僕はスリランカのアルガムベイという場所に居ました。
アルガムベイはサーフタウンとして世界的にも有名で世界中からサーファーたちが波を求めて訪れる場所です。
サーフィン未経験者のための小波のビーチもあり、多くの人々がサーフレッスンを楽しんでいます。
そんな素敵な場所でサーフィンを楽しんでいた僕ですが、ちょっとしたアクシデントにより左足のくるぶし付近の皮膚を切ってしまい5針縫うことになってしまいました。海から上がり5時間ほど様子を見たのですがなかなか血が止まらず病院に行くことしました。
向かったのはアルガムベイからバイクで10分ほどの距離にあるPottuvilという小さな隣町にある病院です。
平日夕方5時頃に行ったのですが並んでいる人はおらず、ドクターと看護師さんがあっという間に処置してくれて大変満足のいく内容でした。
病院の内観は一般的な日本人がイメージするような途上国の小さな町の病院です。
診察用のベッドは長い時間使用されてきたであろうと推測出来るような金属部分のサビの量が目につきます。金属部分で錆びていない場所のほうが少ないくらいでした。
床の所々にゴミが落ちており日本との違いを感じることが出来ます。
念の為伝えておくとスリランカではドクターは海外での研修を義務付けられており、知識レベルとしては決して劣っている訳ではないそうです。僕の傷を縫ってくれた先生は英語も流暢で中国に6年居たと言っていました。
傷口に感染症防止の注射を打ってもらい(破傷風的なこと言っていました)、5針縫って掛かった費用は3000ルピー(約1400円ほど)でした。無保険料金にしては安いです。(ちなみに僕は海外旅行保険に入っています)
傷を縫って貰っている最中に僕の顔が面白かったのか、20代と思われる若い女性看護師さんは「痛い?フフフッ ここ痛い? ハハハッ」と子どものような無邪気さで聞いてきます。日本であれば怒られるレベルです。
無事傷口を縫って貰えた僕は一安心しました。2日後に包帯交換、7日後に抜糸するのでその日に来るように言われます。
2日後の昼1時頃に包帯を交換するために病院に到着すると、今は昼休憩中なので2時以降に来るように言われました。お昼ご飯でも食べて時間を潰そうかと思い、ちょうど正門から出た所で一人の男性看護師(40歳前後くらい)に呼び止められ、包帯巻きかえてやるから付いてこいと言われます。
彼は病院内をスタスタと歩き進め、とある部屋に入りました。僕も続けて部屋に入ると白衣を来た男が一人座っています。
部屋は狭く、2畳ほどの広さでしょうか。デスクが1つあり、ここで寝泊まりしているのかマットレスが壁に立てかけられてあります。靴下が床に投げ捨てられており、何とも言えない異臭がします。
眼の前に座っている男が医者なのか事務員なのか看護師なのかさえも僕には判断がつきません。
案内してくれた男が包帯等をどこかから取ってきて僕に説明します。「今は昼休憩中で本当は駄目だけれど、特別に包帯巻きかえてあげる。違法だから誰にも言わないでね。」
なんとこの男はお小遣い欲しさに休憩中に僕の包帯を巻きかえてくれると言うのです。いやいや、わざわざ違法ならそんなことやらんで良いよ。2時以降にまた来るよと伝えるとめちゃめちゃ人多くて待つから今やったほうが良いよと言われ、包帯を巻きかえて貰うことにしました。
恐らく看護師なのであろうこの男は手際よく簡単な経過観察と消毒、ガーゼと包帯を交換してくれました。
彼が要求した金額は2000ルピー(約950円くらい)。
高いな。そんなに払えないよと伝えると1500ルピー(約700円くらい)に値引きしてくれておまけの消毒液と包帯とガーゼをくれました。(要らんけど)
3分ほどの包帯交換に1500ルピーでも高い気がしましたが、まあ良いかと思い支払い、帰路につきました。
30分間くらいの出来事でした。
そのまた5日後、念願の抜糸の日がとうとうやってきました。あまり歩き回ることも出来ず、海に入ることも出来ず、ただただ宿で時間を過ごす日々もやっと終わりを迎えることに歓喜し、朝9時頃病院に到着しました。
前回はお昼休憩中に行ってしまったのですが、今回は通常営業のスリランカの病院を見ることが出来ます。受付で抜糸したい旨を伝えて診察券を受け取り、診察室に並ぶように言われます。
まず仕組みが良くわかりません。この写真のように診察室の前に人が集まっています。
どうやら日本のように順番通りに名前を呼ばれて診察室に入るシステムではないようです。
この病院1つでスリランカ全体を判断する訳にはいきませんが、スリランカでは並ぶという概念が希薄なようです。
とは言っても順番という概念はあるようで、次お前の番だよと譲ってくれたりします。
その辺の人に足を縫った写真を見せて今日糸を取る日なんだと説明するとあの部屋へ行けと言われ、3人だけ並んでいるその部屋に入るのを待ちます。
僕の順番が来るのを待って椅子に座っていると写真の大量に人が並んでいる部屋の前で何やら一人の男と係員が言い争いを始めました。
何を言っているかわからないので判断が付きませんが、係員は「お前らここに立たないで座って待て」と言っているように見えます。相手方の男は何か気に食わないことがあるのか何かを主張して大声で叫んでいます。どんどんヒートアップしてきて隣のおばさんも叫び始めました。
内心僕は「おー、イメージするようなインドっぽい状況」だとワクワクしました。(スリランカなのでインドではありませんが、どうにもインドっぽさが先行します。体感ではスリランカとインドは日本と韓国くらい違います。)
隣りにいる若者3人組に何が起きているのか聞いてみると拙い英語で「メディカルに関することで揉めている」と言います。病院なんだからそりゃそうだろうと思いつつ未だに真相は謎のままです。
そんな喧嘩を眺めること15分ほどでDressing Roomと書かれた僕が並んでいる部屋に入ると診察室に行って医者に見て貰ってからこの部屋に出直して来いと二人のナースさんに言われ追い出されました。
Dressing roomに居るのは二人のナースさんのみです。
どうやら僕も目の前の30人ほどの群れに入らなければいけないみたいです。外国人は僕のみで、その他はローカルの人しかいません。
僕が並んでいると外国人だから目立つのか係員の人が話しかけてくれます。7日前に足を縫ったので今日抜糸したい旨を伝えると僕の診察券のような紙を持ってとある部屋に入って行きました。
その係員さんが戻ってきて診察券を返され、再度Dressing roomへ行くように言われます。
なんのやり取りなのかよくわからないが並ばなくて良いならラッキーと思いながらDressing roomに再度入るとナースさんがどこかへ電話して状況を確認しました。
彼女の言うところによると、「ドクターが言うにはもう2日このまま糸を取らずに様子見しましょう、今日は消毒だけするからまた2日後に来てね」と言うではありませんか。僕の頭の中は???という状態でした。
「ドクターはこの傷を見てないよ!今日で7日目だから抜糸したいんだ!なんで診察すらしていないのに2日間療養なんだ!ドクター呼んでくれ!」と聞いてみると何を言っているんだこいつはという顔をしながらドクター部屋に確認しに行くナースさん。
ナースさんが女医さんと一緒に戻ってきました。
これまためんどくさそうな顔をした女医さんの第一声が「あなた診察しに来てないじゃない。なんなの。」というものでしたが、10秒ほど僕の足を見て、抜糸していいよと言ってくれました。
日本だったら医師免許剥奪レベルの架空診察したくせになんやねんこいつと思いながら抜糸出来ることを喜びました。
こうして無事抜糸することが出来、今では健康的に過ごせています。
少し長くなってしまいましたが、そんなスリランカの病院の思い出でした。