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こんにちは。
ここまでコダイカナルからハンピ、ゴア、ムンバイと旅路を急いだのですが、理由はこの瞑想プログラムに参加するためでした。
トラベルガイドブックのロンリープラネットを読んでいた所、インドにはヴィパッサナー瞑想センターというものが103箇所あり、そこでは瞑想修行が出来ると書かれていました。
しかもその施設は全て寄付金で運営されており、宿泊部屋や食事まで提供してくれるのにも関わらず、気に入らなければお金を払わなくても良いのです。寄付金は気持ちからのものであり、コースは全て無料で提供されています。
このような運営システムで数多くのセンターが成り立つからにはヴィパッサナー瞑想とこの運営センターは大変良いものなのでしょう。
そうに違いない!と思った僕は、そんな謎の瞑想センターに強く惹かれ、ヴィパッサナー瞑想のことなどほとんど何も知らない状態で予約して瞑想修行に行って参りました。2024年11月上旬の記録です。
ちなみにですが、このヴィパッサナー瞑想センターは日本にも千葉と京都の2箇所にあり、同じ体験を日本ですることが出来ます。
当記事を読んで気になった方はわざわざインドまで行かなくても良いのです。
結論から先に言いますと、大変良い経験になりました。心の扱い方について学ぶことが出来ました。
いかに自分の心がデタラメであるか知ることが出来ました。
行って良かったです。本当にそう思います。
インドのヴィパッサナー瞑想センターで10日間修行した話
ヴィパッサナー瞑想とは
ヴィパッサナー瞑想をご存知でしょうか。
かのゴータマ・ブッタが解脱することが出来た瞑想方法こそがヴィパッサナー瞑想であると言われています。
ヴィパッサナーとは「ものごとをありのままに見る」という意味で、心を平静に体の感覚をありのままに観察することによって心を鍛える瞑想法です。
インドで生まれたこの瞑想方法ですが、歴史の途中で途絶えてしまいミャンマーに細々と受け継がれていた瞑想方法をインドに逆輸入して復活したそうです。
復活させた方こそがこのDhamma vippasana瞑想センターのトップであるゴカルナ氏です。
毎日ひたすら90分ほどのゴカルナ先生の講義ビデオを見続けたので親近感しかありません。講義ビデオと言っても上半身アップの定点カメラにひたすら先生が喋り続けている映像でした。
ヴィパッサナー瞑想センターの予約方法
まずはヴィパッサナー瞑想センターを予約する必要があります。
こちらのサイトから予約出来ます。ロケーションを日本で検索すると京都や千葉の瞑想センターのスケジュールも確認出来ます。
日本では人気なようで3ヶ月先以上まで予約が埋まっています。
インドの場合も同様に都合の良い日程や州で検索してみてください。コースの日程と予約可能状況が確認出来ます。
施設によって受け入れ人数に違いがあるみたいですが、あらかじめ1ヶ月以上前に予約しておくと安心です。人気施設はすぐに予約いっぱいになってしまうみたいです。
僕が今回予約したのはムンバイにあるDhamma vipula瞑想センターです。どこでも良かったのですが、旅路と日にちの都合でこの場所にしました。
後から知ったのですが、この瞑想センターは特別に設備が良いらしくラッキーでした。
気になる方はGoogle mapで瞑想センターのレビューを確認してから予約してみてください。
瞑想センターの設備
今回僕が予約したのは最も一般的なコースである10日間コースです。
10日間と聞くと長いと感じると思いますが、参加してみて確かに10日は必要だなと感じました。
過ぎ去ってしまえば10日はあっという間です。
もう少し短ければと思いますが、瞑想を最低限のスタート地点まで習得するには数日という訳にはいきません。
瞑想修行がこの日程なので前後2日を合わせて計12日間必要になります。(1日目の午後瞑想センター入り、12日目の朝7:30解散)
瞑想センターに到着したのは修行開始前日の午後2時頃。2-4時頃来てねと事前連絡がありました。
まずセンターに到着し、登録手続きを行った後にこれから10日間滞在する部屋に案内されます。
![](https://33-backpacker.blog/wp-content/uploads/2024/11/20241117_0739184318355090610007417-1024x576.jpg)
4畳ほどのエアコン付きの個室です。部屋にユニットバス式でトイレとシャワーも付いています。天井ファンも付いている充実っぷりです。
ベッド、テーブル、瞑想チェアーが部屋には備え付けられており、ベッドシーツや枕カバー等も入所時にキレイなものを支給されます。
はっきり言って僕が普段泊まっているドミトリー式宿より良いです。このクラスのホテルに泊まろうとすると最低でも一泊1500円くらいするのではないでしょうか。
この当時は、この部屋に泊まれるだけで十分に嬉しかった記憶があります。
ちなみにですがこの瞑想センターは高台にあり、この時期のムンバイでは天井ファンだけで快適に過ごせました。エアコンは一切使用しませんでした。
瞑想センターのルールとスケジュール
瞑想センターには5つの戒律があります。
- いかなる生き物も殺さないこと
- 盗まないこと
- 性行為を控えること
- 嘘をつかないこと
- お酒やタバコを含む全ての麻薬を控えること
入所後はこの戒律に従って生活しなければなりません。
また、上記の戒律とは別に いくつかのルールが設けられています。
- 聖なる沈黙
これは生徒間で喋ってはいけないというルールです。先生や運営スタッフとは必要な際に喋ることが出来ます。 - 礼拝、宗教儀式等の中止
断食、香を焚く、数珠を数える、マントラを唱える、歌を歌う、踊るなど、あらゆる祈り、礼拝、宗教儀式を中止しなければなりません。 - 男女の分離
同じ日程で女性たちも瞑想センターに来ていましたが、生活は完全に分離されています。
喋ることも許されません。 - 身体接触の禁止
同性、異性に関わらず身体的接触禁止です。 - ヨガや運動禁止
ジョギングも禁止です。唯一ゆっくりと歩くことのみ許可されています。 - ベジタリアン食
朝はトーストとインド系パン(イドゥリーとかチャパティとか)とパパイヤ、バナナ、牛乳、ミルクティとカレー味の豆料理などが多かったです。
昼は米と野菜カレー、バナナ、カレー味の野菜なんかが多かったです。
夕方は米菓子とバナナ、牛乳、ミルクティです。
おかわりは自由に出来、瞑想しかしないので意外とお腹減りませんでした。 - 外部との通信禁止
スマホを入所時に預けます。スマホだけではなく、タブレット、ノートパソコンなども全て預けます。 - 音楽、読書、執筆の禁止
読むのも書くのも、聞くのも駄目です。 - カメラ持ち込み禁止
続いて日々のスケジュールをご紹介します。
午前4時 | 朝の目覚ましベル |
午前4:30~6:30 | ホールや部屋で瞑想する |
午前6時30分~8時 | 朝食休憩 |
午前8:00~9:00 | ホールでのグループ瞑想 |
午前9:00~11:00 | 先生の指示に従ってホールまたは自分の部屋で瞑想します |
11:00~12:00 正午 | お昼休み |
12時~午後1時 | 休憩と先生との面談 |
午後1時~2時30分 | ホールや部屋で瞑想する |
午後2時30分~3時30分 | ホールでのグループ瞑想 |
午後3時30分~5時 | 先生の指示に従ってホールまたは自分の部屋で瞑想します |
午後5時~6時 | ティーブレイク |
午後6:00~7:00 | ホールでのグループ瞑想 |
午後7:00~8:15 | ホールでの談話 |
午後8時15分~9時 | ホールでのグループ瞑想 |
午後9:00~9:30 | ホールでの質疑応答 |
午後9時30分 | 自分の部屋に戻る――消灯 |
朝4時に起き、4:30から瞑想開始です。消灯は夜9:30です。その間はひたすら瞑想を行います。
日々の感想に関しては後ほどご紹介します。
瞑想の進行方法ですが、音声ガイダンスで瞑想方法の説明があります。ガイダンスなく瞑想する時と、ガイダンス後に瞑想する場合があります。
スピーカーを通りして音声がホール全体に流れるので、それに従って瞑想していきます。
気になる音声ですが、ヒンディー語の音声が流れた後に英語の翻訳バージョンが流れます。ところが幸運なことに音声ガイダンスのアプリがあり、英語と日本語バージョンの翻訳音声がありました。
センターのスマホとヘッドホンを支給され、僕一人だけ英語/日本語を聞くことが出来ました。
これは大変ありがたかったです。行くまでは日本語バージョンがあることなど勿論知らず、英語で挑戦するつもりでしたがやはり日本語の方が完全に理解出来ます。
というか、こんなアプリまで作っているなんて凄いなDhamma vippasanaと思いました。
そうです、ここまで読んで頂けるとわかる通り、Dhamma vippasanaグループはしょぼい寺院などではなく、大変立派な施設です。山の上の古びた寺院で瞑想修行することを想像されていた方には申し訳ありませんが、多くの人が訪れるキレイで立派な施設なのです。
日々の感想
1日目
瞑想センターに訪れた昨日を0日目とし、プログラム開始の当日が1日目。
実は昨日、0日目の夕方に瞑想方法に関する指導が1時間ほどありました。その内容としてはひたすら鼻先に意識を集中し、呼吸を観察するというもの。
音声ガイダンスに沿って説明を受け、その通りに実践します。
ちなみにですが、ティーチャーという存在が居てティーチャーがこの施設の最高責任者です。その他掃除やお手伝いさんなどの方は基本的にはボランティアで成り立っています。
0日目には瞑想後にティーチャーへの挨拶をしました。ティーチャーは小高い椅子に座られており、我々は床に座りながらティーチャーを見上げ、話をします。小さな体に大きく見開かれた目をしたキレイな白髪の方でした。
男女二名のティーチャーがおり、女性組と男性組の質問に答えてくれます。
そんなこんなで始まった1日目です。
朝4時に鈴を持ったセンターの方が歩き回ります。チリンチリンと鈴の音とともに目を覚まします。この鈴の音が何とも頭に響きます。
顔を洗ったり歯を磨いたりしてホールに向かい、4:30から瞑想を開始します。
今回参加者は男性50人、女性40人ほどの人数でした。想像していたより沢山の人がいます。外国人は僕一人だけでした。後から聞きましたが、やはりムンバイ周辺の方が圧倒的に多かったです。
20代前後の若い人から60歳過ぎの人まで多くの人が来ていました。平均年齢は40歳くらいでしょうか。
女性と男性は同じ建物で生活しますが、生活スペースは完全に分けられています。
唯一この瞑想ホールでのみ一緒に瞑想を行います。グループ瞑想というメソッドがあり、1日に3回、90人全員で同じ部屋で瞑想を行います。
気になる1日目の結果ですが、とにかく1日目が一番キツかったです。
大きく分けて2つの ツラさがあります。
1つ目はまずなにより長時間座っていることで体が痛いです。腰や背中周りがひたすら痛くなり、頻繁に体制を変えなければなりません。人生でこんなに座ったことないんじゃないかっていうくらい座りました。
しかも瞑想するのでその場で目を瞑るだけです。映画を見ながらポップコーンを食べる訳でもなく、ただ目を瞑ります。
とりあえず体が痛いです。これ自体は普通の反応で、参加者全員がまずこの痛みの苦しみを味わいます。10日目には初日の体の痛みについて話すことで全員が共感出来、爆笑ネタになります。
我慢しましょう。
2つ目のツラさとして、瞑想に集中出来ません。退屈です。こんなに人生で目を瞑っていたことはありません。
1日で目を瞑っている時間のほうが長いなんてことが今まであったでしょうか。
ひたすら体の痛みと頭に現れる思考と過ごすことで時間が過ぎてゆくのを待ちます。
「なんて所に来てしまったんだ俺は」と思いました。
そのくらい苦痛でした。苦行とはこのことだなと思ったものです。
「なんて所に来てしまったんだ」→「いやいや、素晴らし場所に違いない」→「なんて所に来てしまったんだ」・・・と脳内で繰り返されていきます。
唯一の癒やしは食事時間と休憩時間です。
朝ご飯は1時間半、昼ご飯2時間、夕方5時のティーブレイクは1時間あります。
食事自体は30分ほどで済むので、その他は休憩時間として利用出来ます。
お昼には先生との面談が可能なのですが、質問が特に無ければそのまま休憩時間となります。
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こんなウォーキング用の庭があり、皆がゆっくりぐるぐる歩き回ります。ちなみに方向があり、時計回りです。
![](https://33-backpacker.blog/wp-content/uploads/2024/11/20241116_124934-1024x576.jpg)
![](https://33-backpacker.blog/wp-content/uploads/2024/11/20241116_173215-1024x576.jpg)
高台にあるこの瞑想センターからの眺めはキレイでした。
毎日夕方の休憩時には西側に沈む見事なまでに真っ赤な太陽と大気汚染で1日たりとも透き通らないナビムンバイの街並み、遠くから聞こえてくるインドらしいクラクションの音を聞きながら誰とも喋らず皆がそれぞれの時間を過ごしています。
夕食が終わると6時から1時間瞑想した後に7時から講義ビデオを見ます。
この時間も好きな時間でした。瞑想から開放されて映画鑑賞のような気分になれます。
内容は道徳的なものや瞑想方法に関するもの、瞑想の効果に関することやヴィパッサナー瞑想の成り立ちなどの話です。
瞑想センターの創設者であるゴカルナ先生の映像と共に音声が流れます。僕はヘッドホンで日本語に翻訳されたものを聞いていました。
ここで知ったのですが、初日で脱走する人もいるそうです。
今回僕らの参加者にはいませんでしたが、そんなことを言っていました。(とは言っても実際はかなり少数だと思います)
基本的にはどなたでも耐えられるプログラムになっています。
この講義ビデオの中でゴカルナ先生の口から驚きの言葉が発せられます。「これは10日間に渡る心の手術である。」という言葉。
なんか良くわからないけどヴィパッサナー瞑想って頭すっきりするのかなー、と考えていた僕はここで現実を知りました。この瞑想法は心の汚れを除去するためのものだったのです。(気づくの遅すぎますね)
お恥ずかしい話ですが、当時はそれくらいのノリであまり調べずに行きました。
と、ここまでまだ1日しか経っていませんが長くなってしまったので、続きは次の記事で!
果たして僕は心の汚れを除去できるのだろうか!